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平成29年5月

[2017年7月28日]

全国学力・学習状況調査とICT教育

 

  早いもので、今年度もスタートして早1ヶ月がたちました。新入生(園児)をお迎えした桜の花もすっかり様相を変え、鮮やかな新緑に衣替えしました。市内4校の小中学校で、深夜に投石によるガラス破損事件等がありましたものの、4月の入学(園)式以後、多くの子どもたちは毎日元気に学校園生活を送っています。今年度も市民のみなさまのご理解・ご支援をよろしくお願いします。

  さて、今年度も4月18日(火)に小学校6年生と中学校3年生を対象に、全国学力・学習状況調査が実施されました。本市の子どもたちも、適度な緊張の中で最後まで粘り強く取り組みました。私も小中全ての問題に挑戦しました。残念ながら満点は取れませんでしたが、私たちの学生時代とは明らかに問題の傾向は変わってきました。もしチャンスがあれば、市民のみなさまも一度挑戦してください。この調査結果については、毎年市の広報やホームページで市民のみなさまに報告しています。今年も9月に文部科学省から結果が来ますので、その結果を市の教育委員会でしっかり分析し、報告させていただく予定です。なお、保護者のみなさまには子どもたちの個々の状況を学校からお知らせします。

  この調査がスタートして、今年で11年目となります。東日本大震災で中止されたこともありましたが、今やこの調査はセンター試験などと並んで日本の教育行事の年中行事となった感があります。最近の結果をみていると、点数の都道府県格差は、当初に比べてかなり縮小してきました。全国の最上位と最下位の差が5%以内であるということは、日本の義務教育は世界に誇れる素晴らしいものであるということの証明でもあります。しかしながら、全国の公立小中学校はその結果に一喜一憂しています。教育委員会では、さらに敏感にその結果に神経をとがらせています。教育界がこの調査の結果に束縛されすぎている状況が、残念ながら見受けられてきています。

 私はこの調査がスタートした時点から、こうした大規模な全国調査は子どもたちの学習定着状況の確認のため、5年か10年に一度で十分であると考えていました。もちろん子どもたちのためにもっともっと授業改善していく必要はあります。ただ日々の指導や授業の改善は、子どもたちの日常にもっと近いところで把握した材料を基に組み立てられるべきと考えています。

 PISA(OECD生徒の学習到達度調査)がコンピュータ使用型調査に移行したようです。紙と鉛筆よりコンピュータを使ったテストの方が、実生活で自らの知識と技能を活用する状況と共通点が多いからというのがその理由です。わざわざコンピュータ向きに作った問題もあるようですが、そんな形で評価した『知識と技能』に、それほど大きな意味があるのでしょうか。

 ICTが有用であることは理解できます。近江八幡市でもICT教育に力を入れています。ただ授業全てにICT機器を利用しているわけではありません。ICT教育機器(パソコン・電子黒板・タブレット)は、黒板等と同じ一つのツールです。子どもたちに少しでも理解しやすいように、そして学習意欲を高めるための手段の一つです。

 子どもたちの学習意欲を高めるものは、日常生活や自然環境の中にもたくさんあります。

 子どもたちの周りにある日常生活や自然環境は不完全で、とらえどころがありません。しかしそんなありふれたものの中に、この世界の様々な表情が隠されているものです。まずそれらを自分の五感で感じることが大切だと思います。子どもたちがもう少し調べてみようとか、学習しようという気持ちは、多くの平凡な身近なものに触れることで育つのではないかと思います。草むらのどこにバッタやカタツムリがいるのか、ツバメはいつやってきてどんなところに巣を作っているのか、そんなことを教えてくれるのは、パソコンではなく、友人や家族、近所のおじさんやおばさん、そして教師なのです。吹き抜ける春の風の暖かさに気づかせてくれるのもそうした生身の人々なのです。

 私たち大人がもう一度、学習の原点を考える必要があるような気がします。

 

      平成29年5月                               

                                                                          近江八幡市教育長 日岡 昇

 

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