沖島の自然 

琵琶湖の自然のペ−ジ

琵琶湖のあらまし
○北湖と南湖
 琵琶湖は、琵琶湖大橋を境に北と南に大きく二つに分かれていますが、この橋より北を北湖(または主湖盆)、南を南湖(または副湖盆)と呼びます。
○外湖と内湖及び内湾
 琵琶湖は、地形の違いから外湖、内湖及び内湾に分けられます。外湖とは琵琶湖そのものから内湖や内湾を除いた部分で、単に琵琶湖といえば外湖のことを指すことが多いようです。内湖は外湖に対する呼び名で、琵琶湖(外湖)に水路などで通じている湖沼をいいます。かつては琵琶湖に住む多くの魚類の産卵場、及び稚魚の成育場として大切な役割を果たしていましたが、現在ではその多くが埋め立てによって姿を消しています。内湖は琵琶湖の東部に広がる平野部に多くあり、その最大のものは大中之湖でした。現在残っている最も大きな内湖は西の湖です。内湖は、水深も浅く水の動きも停滞するため富栄養化しやすく各種プランクトンの発生が良好なので、かつてはイケチョウガイを使って淡水真珠の生産が盛んに行われていました。内湾とは琵琶湖にある湾入部をいい、最も大きいのは、琵琶湖の最北部に位置する塩津湾です。
○湖の大きさ
 琵琶湖の表面積は673.8kuで、第2位の霞ヶ浦(117.8ku)の約6倍にもおよび、日本では群を抜いて大きな湖です。しかし、世界では表面積1000kuを超える湖が珍しくありません。ちなみに世界一大きな湖はカスピ海で、その表面積は371,000kuに及び、日本列島がすっぽり入る大きさがあります。
○湖の貯水量
 琵琶湖は「近畿の水瓶」とも呼ばれるように、275億トンもの膨大な水が貯えられ、その流域や下流に住む人々に限りない恩恵を与えています。貯水量275億トンのほとんどはは北湖に貯えられ、南湖の貯水量は微々たるものに過ぎません。
○湖の深さ
 琵琶湖の最深部(103.6m)は北湖の舟木崎の沖合に位置し、1956年に小谷氏によって発見されたもので、この時の観測船の船頭の前田氏とともに、両氏の頭文字をとってK・M点と命名されています。ちなみに、日本で一番深い湖は田沢湖(秋田県,423.4m)であり、琵琶湖は深さでは8番目の湖です。北湖には、水深50m以上もある水域が広く存在し、平均水深が41mあるのに対して、南湖は10mより深いところがなく、平均水深は4mに過ぎません。
○湖の歴史
 琵琶湖の誕生は、今から約500万年前にさかのぼり、バイカル湖やカスピ海に次いで世界でも3番目に古い湖とされています。
○流入河川と流出河川
 流入河川とは、琵琶湖に流れ込んでいる河川をいい、全部で113本あります。そのうち野洲川、安曇川、姉川など主な河川は北湖に集中しています。
 流出河川とは、琵琶湖より流れ出す河川をいい、琵琶湖疎水が完成するまでは瀬田川ただ1本でした。瀬田川には洗堰があり、疎水の取水口にも水門があって、琵琶湖の水位を調節できるしくみになっています。
○透明度
 透明度板と呼ばれる直径30cmの白色円板を沈めてそれが見えなくなる深さ(m)を表したものです。水が澄んでいれば透明度は大きく、プランクトン量や濁りが多ければ値は小さくなります。琵琶湖での最高値は12mで、平均では北湖6m、南湖2mです。近年、琵琶湖は著しく富栄養化しつつありますが、特に南湖での人為汚染が激しく、透明度は益々低下する傾向にあります。
○水温
 琵琶湖の北湖における最高水温は夏期表面で31度、最低水温は冬季表面で6度です。南湖や湖岸では最高水温はさらに上がり、最低水温はさらに低くなります。
○島
 琵琶湖には沖島、竹生島、多景島など三つの島があります。最も大きいのが沖島で周囲12kmあり、島民は主に漁業に従事しています。
○湖岸線総延長  235.2km
自然と共に
○琵琶湖の魚
 5月静かな湖面を見ているとコアユの群に出会うことがある。人の姿が見えると、その群は大きく弧を描いて離れていく。メダカの学校のように先生がいるのだろうか。 浅いところではようやく大きくなりかけたブルーギルが手の届くような所までやってくる。人の姿を見ても逃げようとはしない。それぞれの個体の持つ習性がよくあらわれている。
 沖島と湖魚との関係は切り離すことはできない。日本には約300種の淡水魚が生息されているといわれている。南北に長く四季の変化に富んでいて、これが魚にも複雑に影響している。また、河川の上流から中・下流・湖・池などの止水域、汽水域などと住み分け様々な形態が見られる。バスやブルーギルなど外来の魚も住んでいる琵琶湖では約50〜60種の魚が確認されている。
 コイ、フナ、モロコ、オイカワ、ウグイなどコイ科の魚はその種類も多く、古くから琵琶湖に住んでいてなじみも深い。梅雨の頃、川岸よりの浅瀬でオイカワ、ウグイなどの群をよく見かける。産卵である。集団での産卵と思いきやほとんどがそのおこぼれを食べようと集まってきている野次馬仲間なのである。
 サケ科の産卵はテレビや書物でよく紹介される。4〜5年たつと産卵のためそして稚魚が育ちやすいように上流まで上ってくる。必死で急流を上り、ペアになってからも激しく争いの後の傷だらけのしかも命懸けの産卵であることは衆知のことである。
 湖の嫌われ者であるブラックバスやブルーギルなどサンフィッシュ科の魚は愛情深い魚である。産みっぱなしで子どもの面倒など全く見ようともしない種族が多い中で、この魚は卵から稚魚が巣立っていくまで雄親がかいがいしく面倒を見ることで知られている。産卵床の掃除、卵に水を送る仕事、集まってくる魚を追い払う仕事などとても子煩悩な魚である。
 以上代表的な3種類の魚の産卵と子育てを紹介した。魚と人間とを比べるのはあまりにも失礼であるが、激しい競争社会の中に無防備のままに放り出してしまう放任主義過保護と取れるほど子煩悩な親どこかよく似たところがあるような気もする。
 もう一つ特徴的なことで琵琶湖の代表的な魚であるアユのことについて考えてみよう。琵琶湖のアユは琵琶湖では大きくなれないということで近江商人に例えられていることはよく知られている。このアユに最近異変が起きたという新聞記事があった。アユは縄張り意識が大変強く自分の縄張りに近づいてきた仲間を追い払おうとする。これを利用したのがアユの友釣りである。ところが最近、各河川に放流された琵琶湖のアユは縄張り意識がなくなったということである。沖スクイなどでとられた稚アユは放流されるまでの間、人工的に飼育されているからだという。魚でさえもその育ち方によって本来の習性をすっかりと変えてしまうのである。このように各種の魚の習性を私たちの生き方と比べてみていくのも面白いものである。